平坂散歩

リウマチという病気を患者の立場から語るブログ

リウマチ(関節リウマチ)ってどんな病気?原因や症状は?

 リウマチ(関節リウマチ)という病気をご存じですか?

 

国内には70~100万人の患者がいるとも言われているので、『病名は聞いた事がある』という方も多いのではないでしょうか。

 

しかし、リウマチがどんな病気なのかはご存じない方が多いように感じます。

 

ここでは、そんなリウマチ(関節リウマチ)について説明していきたいと思います。


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【目次】

 

リウマチ(関節リウマチ)とは

リウマチとは、自己免疫疾患の一種です。

つまり、本来は外からのウイルスや病原体などから体を守るために働いている自己の免疫に何らかの異常が起こり、自分の体の組織を外敵と勘違いして攻撃してしまう病気です。

30~50代の女性の発症が多く、男女比では1:4と圧倒的に女性の患者が多いのも特徴です。

 

原因

発症する決定的な原因は、未だによく分かっていません。

さまざまなリスク因子(遺伝環境ホルモン感染など)が複雑に絡み合っていると考えられています。

 

〈遺伝〉

リウマチ患者の多い家系の存在や、二卵性双生児より一卵性双生児の方が兄弟両方リウマチを発症する確率が高いなど、リウマチの発症には遺伝的な要素があるようです。

しかし、例えリウマチの遺伝子を持っていても発症しない人の方が多く、また逆に遺伝子的な要素のない人が発症することもあります。

これは遺伝的要素だけで発症が決まるわけではない、ということでしょう。

 

〈環境〉

近年の研究報告によって、喫煙の習慣がリウマチ発症に関連があるとわかってきました。

喫煙歴がある、または現在喫煙している人の発症率は男性で2~3倍、女性で1.2~1.3倍になるといわれており、特定の遺伝子を持っている人に喫煙の習慣がついてしまうと関節リウマチになりやすくなることがわかっています。

家系にリウマチ患者がいる人は、喫煙しない方がいいかもしれません。

 

食べ物に関しては確定的なものはないようですが、コーヒーをよく飲む人は飲まない人より発症率が上がるといった報告があるようです。

 

〈ホルモン〉

女性ホルモンとも関連があるようです。

初潮の早い女性は発症率が高く、経口避妊薬の使用や閉経後のエストロゲンの使用がリウマチの発症を低下させるという報告があります。

また、妊娠中は発症が減少し、出産直後の時期は発症率が増加するという報告もあります。

 

〈感染〉

細菌やウイルスなどに感染することによって遺伝子が傷つけられ、発症することもあるようです。

 

 〈その他〉

過度のストレスや過労などもリスク因子となるといわれています。

また、歯周病菌が発症に関わっているという報告もあるようです。

 

症状

リウマチは、関節だけに症状が起こると思っている方がいます。確かに関節に症状があらわれる事が多く、リウマチの特徴の一つではありますが、実は全身で症状が起こります

 

〈関節の症状〉

関節リウマチの特徴的な症状に、関節の腫れや痛みがあります。

これは、関節の内部にリウマチ因子や免疫細胞が多く集まり炎症を起こすためです。

この炎症が関節を包む滑膜などで起こると、滑膜が増殖して軟骨や骨を破壊してしまいます。また、関節液が増えるため関節が腫れるのです。

関節の破壊が進むと、関節の変形や亜脱臼がみられるようになり、また筋肉が萎縮したりする事もあります。

そして完全に関節が破壊されてしまうと、関節の骨と骨がくっついて動かなくなってしまいます。

関節の破壊はリウマチ発症の初期から始まる事がわかっており、破壊を抑止するにはできるだけ早く適切な治療を受ける事がとても重要です。

 

〈全身の症状〉

また、リウマチには活発に悪さをする活動期と呼ばれる時期があり、この活動期にはさまざまな症状があらわれます。

体内で起こる強い炎症から、微熱や体重減少、貧血などがみられます。その他、全身の倦怠感や息切れ、リンパ節の腫れなど、全身に症状があらわれます。

 

他にも深刻な症状として、肺への障害(間質性肺炎肺線維症胸膜炎など)や、血管への炎症(悪性関節リウマチ)、アミロイドというタンパク質が体のあちこちに溜まる事で起こる障害(二次性アミロイドーシス)などがあります。

 

 

リウマチは治るのか

完治というのは未だに難しいようですが、リウマチ初期から適切な治療を受ける事によって、症状が収まる寛解(かんかい)という状態になる患者さんは増えているようです。

近年のリウマチ治療薬の進歩により、今後さらに寛解に至る患者数は増えるとみられています。

 

治療法

治療は主に薬物療法手術療法リハビリテーション基礎療法の4つを組み合わせて行います。

 

〈薬物療法〉

リウマチの治療として主軸になるものです。

薬物療法では鎮痛剤抗リウマチ剤副腎皮質ホルモンなどを患者の状態に合わせて組み合わせ、治療を行っていきます。

 

抗リウマチ剤には『免疫調整剤』『免疫抑制剤』があり、これらは直接免疫に働きかける薬で、リウマチ治療にとって最も重要な薬だといえます。

 

また全身の状態がよくない場合には副腎皮質ホルモン(いわゆるステロイド剤)などを使う事もあります。

 

これらの薬は、効果が出やすくよく使われますが、重い副作用が起こる危険性もあるため、必ず医師の指示に従って服用します。

 

強い痛みなどがある場合には鎮痛剤(非ステロイド抗炎症剤)も併用します。

 

また最近では生物学的製剤を使う事も増えてきました。

 

〈手術療法〉

手術療法では『滑膜切除術』『人工関節置換術』、また『関節形成術』『関節固定術』、切れた腱を繋ぐ『腱形成術』などがあります。

これらの手術法は患者さんの病気の進行度や症状、普段の生活や環境などから判断して決めます。

 

滑膜切除術(かつまくせつじょじゅつ)

関節内で炎症が起こると、関節を包んでいる滑膜という組織が増殖して骨や軟骨・腱などを破壊していきます。

その滑膜を切除し、関節の破壊を阻止するために行う手術です。

 

ですが、患者によっては手術してもまたすぐに滑膜が増殖してしまう事もあり、一時期は否定的な意見もあったようです。

しかし、滑膜切除術を行うと症状のコントロールがしやすくなったり、薬の効きがよくなった等の報告があります。

 

人工関節置換術(じんこうかんせつちかんじゅつ)

関節の骨を切り取って人工関節に置き換える手術です。

関節の破壊が著しく進み、日常生活に支障をきたすようになった場合に行います。

 

関節形成術(かんせつけいせいじゅつ)

関節の骨を削り、形を整えて固定する手術です。

 

関節固定術(かんせつこていじゅつ)

関節の骨と骨をくっつけて固定します。

 

腱形成術(けんけいせいじゅつ)

炎症の強い状態が続くと、腱が脆くなり切れてしまいます。その腱を繋げる手術です。

 

〈リハビリテーション〉

過度に関節に負担のかかるような激しい運動は薦められませんが、適度な運動は体力・筋力の維持や関節の変形予防、関節の可動域を維持するためにも重要です。

水泳やウォーキング、ストレッチやリウマチ体操など、その日の体調に合わせて無理をせず行うようにします。

 

〈基礎療法〉

過度の疲労や睡眠不足は病気によくありません。リウマチの患者さんは疲れやすく体重も落ちやすいので、十分な睡眠をとり、栄養価が高くバランスの良い食事をとる事を心掛けます。

また、体を冷やさないようにする事も大切です。

 

 

リウマチが疑われる症状

リウマチの症状は、手足の関節のこわばりや痛み、腫れなどから始まります。

とくに朝のこわばりは最も典型的な関節リウマチの症状です。

手指や手首の痛みや腫れなども初期の頃によく起こります。

その他にも、痛みのある関節が熱を持っている肘や膝などにできる皮下結節(皮膚の下にできる出っ張り)などがあります。

 

これらの症状があるようなら、一度病院で検査を受ける事をお薦めします。

 

 

何科を受診すればよいのか?

リウマチは整形外科でも内科でも診てもらえます。ですが『関節リウマチ』と判断する事は以外と難しい病気でもあります。

それは似たような症状の病気が多数存在するからです。

ですので、経験や知識の豊富な『リウマチ専門医』に診てもらう事が望ましいでしょう。

 

リウマチ科膠原病科などには専門医が在籍しているはずです。

また、はじめは一般医やかかりつけ医に診てもらって、リウマチの疑いがある場合に専門の医療機関に紹介状を書いてもらうという方法もあります。

それ以外の方法として、自分で探す事も可能です。

 

《日本リウマチ学会》《日本整形外科学会》ではリウマチ専門医の育成をしており、試験に合格した医師を専門医として認定・登録しています。

同様に《日本リウマチ財団》もいくつかの条件を満たした医師を財団登録医として登録する制度を設けています。

 

いずれの団体も、それぞれのホームページから専門医を検索する事ができるようになっており、ご自身で探す事ができます。

 

受診してリウマチと診断されれば長い年月通院する事も考えられるため、通いやすい距離で医師又は医療機関を探される事をお薦めします。

 

●一般社団法人 日本リウマチ学会

ホームページトップ⇒リウマチ専門医指導医検索 から検索できます。

 

●公益社団法人 日本整形外科学会

ホームページトップ⇒専門医・認定医名簿 から検索できます。

 

●公益財団法人 日本リウマチ財団

ホームページトップ⇒患者さん・一般のみなさんへ専門医療機関について から検索できます。

 

 

まとめ

かつては『慢性関節リウマチ』が正式名称であり、不治の病というイメージが強くありました。

 

しかし近年の治療薬の発達により、寛解状態になる患者さんも増えています。

 

外科的な治療も減っているらしく、関節が破壊されたとしても発症からかなり年月が経ってからというケースも増えているそうです。

 

これは薬での症状のコントロールがかなり出来るようになってきた証しであると考えられます。

 

しかし病状や進行度には個人差がありますし、また出来るだけ早く適切な治療を開始する事がその後の病状に大きな影響を与えます。

 

気になる症状のある方は、一度診察を受けてみてはいかがでしょうか。

 

 

当サイトでは簡潔に説明していますので、病気や薬の詳しい情報は医療機関のホームページをご覧になる事をお薦めします。

 

 

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